(3)
遺留分の算定
(イ)遺留分の算定
遺留分は、被相続人が相続開始時に有していた財産の価額にその贈与した財産の価額を加え、その中から債務の全額を控除して算定します。
そこで、遺留分算定の基礎となる財産の範囲を明らかにし、次にその範囲に含まれる財産の評価をする必要があります。
そこで、遺留分算定の基礎となる財産の範囲を明らかにし、次にその範囲に含まれる財産の評価をする必要があります。
(ロ)遺留分算定の基礎となる財産の確定
(a)被相続人が相続開始時に有していた財産
遺留分算定の基礎となる財産は、被相続人が相続開始時に有していた財産です。
ただし、墓や家系図等の祭祀財産は、他の相続財産とは別個にその承継が決定されることから、遺留分算定の基礎となる財産からは除かれます。被相続人の一身に専属する権利も除かれます。
ただし、墓や家系図等の祭祀財産は、他の相続財産とは別個にその承継が決定されることから、遺留分算定の基礎となる財産からは除かれます。被相続人の一身に専属する権利も除かれます。
(b)条件付権利など
条件付権利又は存続期間の不確定な権利も、遺留分算定の基礎となる財産に含まれます。
ただし、その権利の評価額は、家庭裁判所の選定した鑑定人の評価によります。
ただし、その権利の評価額は、家庭裁判所の選定した鑑定人の評価によります。
(c)遺贈
遺贈が遺留分算定の基礎となる財産に含まれることについては争いがありません。
(d)死因贈与
死因贈与は、贈与契約自体は被相続人の生前になされますが、その効力については遺贈に関する規定が準用されています。
遺留分の算定に当たり、死因贈与を遺贈と同様に扱うのか、贈与とみて原則として相続開始前1年間の間にしたものに限って遺留分算定の基礎となる財産に含めるのか見解が対立していますが、遺贈と同視するという見解が有力です。
遺留分の算定に当たり、死因贈与を遺贈と同様に扱うのか、贈与とみて原則として相続開始前1年間の間にしたものに限って遺留分算定の基礎となる財産に含めるのか見解が対立していますが、遺贈と同視するという見解が有力です。
(e)相続人が生前に贈与した財産
1)被相続人が贈与した財産は、相続開始前の1年間にしたもの、及び、それより前であっても当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与したものは、遺留分算定の基礎となる財産に含まれます。
2)1年以内という要件につき、贈与契約が成立したときを起算点にするのか、それとも贈与契約の効力発生時を基準にするのか争いがありますが、贈与契約が成立したときを基準とする見解が有力です。
3)遺留分権利者に損害を加えることを知っているとは、遺留分権利者を害する目的までは必要ではなく、贈与契約時に遺留分を侵害する事実を認識することができ、かつ、将来被相続人の財産の増加がないことを予見していたことで足りると考えられています (大審院判昭11.6.17)。
すなわち、老齢、病弱で働くことができず、財産の増加が見込まれない被相続人が、相続開始前の短期間に全財産又は相当な部分を贈与した場合などは、遺留分権利者を害することを知ってなされたものと認められます。
2)1年以内という要件につき、贈与契約が成立したときを起算点にするのか、それとも贈与契約の効力発生時を基準にするのか争いがありますが、贈与契約が成立したときを基準とする見解が有力です。
3)遺留分権利者に損害を加えることを知っているとは、遺留分権利者を害する目的までは必要ではなく、贈与契約時に遺留分を侵害する事実を認識することができ、かつ、将来被相続人の財産の増加がないことを予見していたことで足りると考えられています (大審院判昭11.6.17)。
すなわち、老齢、病弱で働くことができず、財産の増加が見込まれない被相続人が、相続開始前の短期間に全財産又は相当な部分を贈与した場合などは、遺留分権利者を害することを知ってなされたものと認められます。
(f)不相当な対価をもってした有償行為
被相続人が不相当な対価をもってした有償行為は、契約当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って行った場合に限り、贈与とみなされ、遺留分算定の基礎財産に含まれます。
ただし、遺留分権利者が減殺請求をするときには、対価を償還しなければなりません。
ただし、遺留分権利者が減殺請求をするときには、対価を償還しなければなりません。
(g)特別受益
共同相続人のなかに、被相続人から生前に婚姻、養子縁組のため、もしくは生計の資本として贈与 (特別受益) を受けた者があるときには、被相続人が相続開始時に有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものが相続財産とみなされます。
遺留分についても特別受益の規定が準用されているため、特別受益財産は、贈与の時期や損害を加えることを知っていたか否かにかかわらず遺留分算定の基礎財産に含まれることになります。
遺留分についても特別受益の規定が準用されているため、特別受益財産は、贈与の時期や損害を加えることを知っていたか否かにかかわらず遺留分算定の基礎財産に含まれることになります。
(ハ)遺留分算定の基礎となる財産の評価
遺留分算定の基礎となる財産の評価基準時については、相続開始の時、すなわち、被相続人死亡の時が基準となります(最高裁判所昭和51年3月18日判決)。
遺留分が具体的に発生、確定するのは相続開始の時であるからです。
したがって、被相続人が生前金銭を贈与していた場合には、贈与のときの金額を相続開始のときの貨幣価値に換算した額をもって評価すべきことになります。
貨幣価値換算の方法については、総理府統計局編 「家計調査年報」、「消費者物価指数報告」 記載の消費者物価指数などによって換算されています。
遺留分が具体的に発生、確定するのは相続開始の時であるからです。
したがって、被相続人が生前金銭を贈与していた場合には、贈与のときの金額を相続開始のときの貨幣価値に換算した額をもって評価すべきことになります。
貨幣価値換算の方法については、総理府統計局編 「家計調査年報」、「消費者物価指数報告」 記載の消費者物価指数などによって換算されています。
(ニ)遺留分算定の際相続財産から控除すべき債務
相続財産から控除すべき債務には、公租公課などの公法上の債務も含まれます。
相続財産に関する費用 (相続財産管理費用等) や遺言執行費用がここにいう控除すべき債務に含まれるかについては争いがありますが、含まれないとする見解が有力です。
相続財産に関する費用 (相続財産管理費用等) や遺言執行費用がここにいう控除すべき債務に含まれるかについては争いがありますが、含まれないとする見解が有力です。