(4) 遺留分減殺請求

Q. 寄与分に対して遺留分減殺請求をすることができますか
A
  • 遺留分を侵害する寄与分
    相続人の1人に高い割合の寄与分が認められると、 その寄与分が他の相続人の遺留分に食い込んでしまう事態が生じます。
    相続人である子甲乙において、例えば甲にのみ寄与分として相続財産の80パーセントの金額が認定された場合、甲の具体的相続分は10分の9、乙の具体的相続分は10分の1となります。
    乙は4分の1の遺留分を有していますから、甲に認定された寄与分が乙の遺留分を侵害することを理由に、乙が甲の寄与分に対して遺留分減殺請求を行えるかが問題となります。
  • 寄与分に対する遺留分減殺請求
    寄与分は、寄与者が行った被相続人の相続財産の増加や維持という特別の寄与を、相続の際に評価するという制度です。
    一方遺留分は、相続人の最低限度の取り分の保証という趣旨から、被相続人が行う財産処分について、一定の制約を設けるという制度です。それゆえ、遺留分減殺請求の対象として、被相続人のイニシアチブによって行われる遺贈及び贈与が規定され、寄与分は規定されていません。
    さらに、寄与分は相続人間の協議ないし家庭裁判所の調停、審判で決定されるものであるため、別手続で決定された寄与分に対して、事後的に遺留分減殺請求を認めて、その効果を覆すことは法的安定性を著しく害するといえます。
    以上より、寄与分に対する遺留分減殺請求を行うことはできません。
    (相続紛争の予防と解決マニュアル)http://free.ac-lib.jp/category9/category1/index1230.html