(4) 遺留分減殺請求

Q. 目的物が譲渡、滅失した場合には、どのように遺留分減殺請求を行うのですか
A
  • 目的物の譲渡
    遺留分減殺請求を行使する以前に、目的物が第三者に譲渡されることがあります。
    この場合、遺留分権利者は、 原則として第三者(譲受人)に対して遺留分減殺請求を行使することはできず、 受遺者ないし受贈者 (譲渡人) に対して、価額の弁償を請求できるにすぎません。
    ただし、 第三者が譲渡当時、 遺留分権利者に損害を加えることを知っていた(害意)場合には、 遺留分権利者は、 第三者に対しても現物返還を請求することができます。
    害意ある場合とは、遺留分権利者に損害を加える目的までは不要で、損害を加える事実関係(遺留分侵害の事実関係)を客観的に認識していることをいいます。
    なお、第三者に害意ある場合でも、 第三者において、価額弁償によって現物返還を免れることは可能です。
  • 目的物が滅失した場合
    目的物が存在しない以上、現物返還はできないため、価額弁償を請求することになります。
    (1)滅失が受遺者ないし受贈者の行為による場合
    受遺者ないし受贈者の行為によって、目的物が滅失したり、価額の増減があった場合、価額の算定は相続開始時においてなお原状のままであるものと見なして評価することとされています。
    (2)滅失が受贈者の行為によらない場合
    明文の規定は存在しません。
    (1)と同様に解釈する立場、受贈者の責によらないものであることを理由に価額弁償を認めない立場、双方が存在します。
    (相続紛争の予防と解決マニュアル)http://free.ac-lib.jp/category9/category1/index1250.html