(1) 遺留分とは

Q. 相続発生前に遺留分を根拠とした法的請求は認められますか
A
  • 遺留分権利者の地位
    遺留分の制度趣旨としては、被相続人の遺産に対して有していた潜在的持分の顕在化あるいは、遺留分権利者の生活保障という説明がなされています。
    被相続人の死後、遺留分権利者は、被相続人の遺産や生前贈与された財産に対して一定割合での減殺請求をすることができますが、被相続人の生前に、遺留分を根拠とした法的請求が認められるか問題となります。
  • 具体例
    (1)民事保全
    将来の遺留分権利者となる資格を有する者が、将来の遺留分減殺請求権を保全するため、生前贈与後相続発生前に、贈与不動産について、所有権移転登記請求権保全のための仮登記を求める仮処分を申請した事案で、申請が退けられています。
    (2)遺留分侵害確認請求
    将来の遺留分権利者となる資格を有する者が、生前贈与後相続発生前に、当該生前贈与について、遺留分を侵害する贈与であることの確認を求めた事案で、請求は退けられています。
  • 根拠
    将来の遺留分権利者となる資格を有する者といえども、相続放棄、廃除、欠格等によってその地位を喪失する可能性があり、遺留分の侵害が生じるかどうかは相続発生時まで確定できないため、相続発生以前に遺留分を根拠とした法的請求は認められないことになります。
    (相続紛争の予防と解決マニュアル)http://free.ac-lib.jp/category9/category1/index1250.html